【未払い賃金立替払い事業状況】
20年度は250億円へ
◆ 深刻な景気悪化を受けて、労働者健康福祉機構が行っている未払い賃金立替払い事業の利用が増えている。平成20年度は前年度比14億円増の約250億円に上り、3年連続して増加した。とりわけ10月以降の下半期は上半期に対し26.9%増となっており、中小企業の倒産の拡大を窺わせる。
業種別では製造業、建設業、商業の3業種あわせて6割を超える状況だ。未払い賃金立替払い事業は、企業が倒産して賃金が支払われないまま退職した労働者に対し、その未払い賃金の一定範囲を労働者健康福祉機構が事業主に代わって支払う制度。中小企業に働く労働者のセーフティーネットの性格を持つが、利用件数の増減は経済環境を反映するバロメーターともいえる。
下表で分かるように、立替払い額のピークは平成14年度の476.42億円で、以降漸減していたが、17年度を底に再び増加に転じ、20年度は前年度比6.0%増の248.21億円になった。伸び率では18年度の11.1%、19年度の14.6%に比べ減少したが、金額的にはピーク直前の13年度の水準に次いでいる。
企業数3639件のうち30人未満規模が84.9%を占め、30〜299人規模が14.6%である。支給者数では前年度比5.9%増加した30〜299人規模が2万5903人(47.6%)で、30人未満規模が2万2521人(41.4%)だった。
1人当たり立替払い額の平均は45.6万円で、30人未満規模が47.0万円、30〜299人規模が47.8万円、300人以上規模が31.0万円となっている。
年度 (平成) | 企業数(件) | 支給者数(人) | 立替払い額(百万円) |
10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 | 2,406 2,773 3,538 3,900 4,734 4,313 3,527 3,259 3,014 3,349 3,639 | 42,304 46,402 51,437 56,895 72,823 61,309 46,211 42,474 40,888 51,322 54,422 | 17,335 20,149 20,792 25,565 47,642 34,190 26,504 18,399 20,436 23,417 24,821 |
累計 | 57,429 | 885,375 | 362,038 |