【高齢者雇用の取組みと課題】・・・日本経団連
60歳定年維持は4分の3
◆ 高齢者の雇用確保措置として継続雇用制度が圧倒的に多く、上限年齢も最終的な65歳を織り込み済み――日本経団連の「高齢者雇用の促進に向けた取組みと今後の課題」と題するレポートで明らかにした、独自のアンケート調査結果である。公的給付の受給を前提に制度設計している一方、60歳定年制は4分の3強が維持すべきとしている。
改正高年法が要請する雇用確保措置に対し、再雇用などの継続雇用制度で対応するところが98.4%と圧倒的多数を占め、定年の引上げまたは廃止はあわせても1.4%に過ぎなかった。
継続雇用制度を選択した理由としては、「個別の事情に応じて仕事を提供し、労働条件の決定ができる」が69.6%と最も多い。企業側の本音ではあるが、逆に従業員の考え方などへの配慮もみられ、「継続勤務を希望しない従業員の意思を尊重できる」56.5%、「健康上の不安など従業員の個別事情に対応しやすい」41.0%などとなっている。
改正高年法では雇用確保措置の上限年齢を、年金支給開始年齢にあわせて段階的に引き上げるよう求めているが、継続雇用制度の上限年齢を65歳にセットしている企業が68.2%を占め、多くの企業が対応措置として織り込み済みだ。
定年前と同じ勤務日数・勤務時間が81.7%と多数を占め、処遇決定時には63.7%が職務内容・仕事量を、41.6%が60歳までの賃金水準を考慮している(複数回答)。在職老齢年金、高年齢者雇用継続給付金を活用した設計が一般的で、両方の受給を前提とするところが48.3%に上り、前者のみが11.3%、後者のみが12.3%。「経済財政改革の基本方針2008」の新雇用戦略では、企業のトップマネジメントは4分の3強が60歳定年制を維持すべきとしている。