【代替休暇実施は6%】・・・愛知県経営協会
今後の労使協議待ちに
◆ 愛知県経営者協会は、平成22年4月1日に施行される改正労働基準法への対応状況をまとめた。労使協定により1ヵ月60時間超の割増賃金の引上げ分に代えて有給休暇を付与するなど、何らかの対応を決定している企業は昨年9月〜10月時点で2割に過ぎず、残りの8割は未定の状態にあることが分かった。同経協は、労使間協議がまだ行われていない段階か、協議中の可能性が高いとみている。
改正労働基準法では、1ヵ月60時間を超える時間外労働の法定割増率が50%以上に義務化されるほか、1ヵ月45時間を超える時間外労働の法定割増率が25%超に努力義務化される。中小企業に限っては3年経過後に再検討して適用を決める猶予措置が取られている。
同調査は改正労基法への対応状況を把握する目的で昨年9〜10月、愛知経協の会員企業976社に対して実施。235社(24.1%)の回答を集計した。従業員300人以上規模の企業が過半数を占めている。
改正労基法では、事業場で労使協定を締結すれば1ヵ月60時間超の時間外労働を行った労働者に対して、引上げ分(50%−25%=25%)の割増賃金の支払いに代えて有給休暇を付与できる。これについて対応状況を聞いたところ、引上げ分の支払いに代えて有給休暇付与を決定している企業は13社(5.6%)だけだった。一方、同有給休暇制度を実施しないと回答した企業は33社(14.1%)で、決めていない企業が188社(80.3%)と圧倒的に多かった。
努力義務である45時間超の時間外労働の割増賃金率設定については、実施を決定している企業は3社で、実施しない企業は32社、未定が有給休暇付与と同様136社と最も割合が高かった。ただし、すでに時間外労働の割増率が25%を超えている企業も63社と少なくない。内訳をみると、30〜34%が50社、26〜29%が5社、40%以上が3社、35〜39%が2社となっている。
年次有給休暇の時間単位付与をみると、実施を決定している企業が13社、実施しない企業が40社、未定が181社となった。
同経協は、調査時点で労使間協議がまだ行われていないか、もしくは協議中の状態にあるとみている。