【体験雇用へ1人月8万円】・・・厚生労働省
22年度限定で奨励金
◆ 厚生労働省は、平成22年度に限った時限措置として、企業に「新卒者体験雇用奨励金」を支給する。一昨年秋ごろからの金融危機の影響を受け、未就職のまま卒業する高校生・大学生が大幅に増加すると見られているためで、1ヵ月の体験雇用の機会を提供した企業に、1人当たり月額8万円を助成する。
ハローワークにおいて、新卒者の就職支援を行うジョブサポーターも今年度より310人多い928人配置する意向だ。
今春の新規学卒者の就職環境は「非常に厳しい状況」にある。高卒予定者の昨年11月末現在の就職内定率は、前年の78.0%から68.1%へ10ポイント低下した。大卒予定者の昨年12月1日現在の就職内定率も、同じく80.5%から73.1%に大幅下落している。
厚生労働省では、このまま推移すると、最終的に未就職のまま卒業する学生が拡大する懸念があるとして、新卒者支援対策に力を入れる方針である。
22年度限りの時限措置として設置するのが「新卒者体験雇用奨励金」である。 求人数が減少したことで、希望に沿った職種に就くのが困難となっていることから、1ヵ月間の体験雇用を通じて、職種の選択肢を広げる狙い。求職者と企業の相互理解を進めて、体験雇用後の正規雇用につなげたい考えである。
体験雇用を提供した企業には奨励金を支給する。ハローワークに奨励金の対象となる求人を提出し、今年1月以降の職業紹介を通じて体験雇用(有期雇用)を受け入れた場合、1人当たり月額8万円(1ヵ月間に限定)を助成する。
未内定の高校生、大学生で、体験雇用が早期就職に有効と判断される者を対象とし、卒業後に体験雇用開始日を設定するのが条件。期間の定めのない正規雇用へ移行するときは、改めて雇用契約書を締結するとした。
高卒・大卒就職ジョブサポーターは、22年度において、今年度より310人多い928人を全国配置し、高校・大学との緊密な連携の下で、就職面接会の開催、就職支援セミナーの開催、希望者への個別支援などを進めていく。