【雇調金の不正受給が拡大】・・・厚生労働省
実地調査徹底を指示
◆ 厚生労働省は、雇用調整助成金の不正受給が依然として改善されないため、
7月から防止対策を強化した。事業主が自ら実施する事業所内訓練の日数が多い場合などに、「必ず実地調査を行う」としている。
雇用調整助成金の不正受給防止対策は、今年4月から「第1弾」を実行に移した。休業などの実施事業所に対する都道府県労働局・公共職業安定所による実地調査回数を増加させたほか、休業した労働者などの一部に対して電話ヒアリングによる確認を始めた。
また教育訓練においては、実際には通常の生産活動をしているにもかかわらず、教育訓練として不正申請するケースがみられたため、教育訓練後の支給申請時における個々の労働者ごとの実施証明書の提出義務付けなどを始めた。
7月からの「第2弾」では、
① 事業主が自ら実施する事業所内訓練の日数が多い事業所
② ある程度業務量があると推察されるにもかかわらず休業日数が多い事業所
③ 休業を実施する一方で、合理的な理由なく雇用労働者が増加している事業所
に対して「必ず実地調査を行う」方針とした。
都道府県労働局による立ち入り検査が効果的に実施できるよう担当者への研修も予定。効率的な立ち入り検査のノウハウを厚生労働省本省において収集・分析しその成果を提供する。
厚生労働省では平成21年度、架空の休業、教育訓練を実施したとして虚偽申請した91事業所、受給額にして7億355万円を不正として支給済み助成金の返還と不正後3年間の助成金不支給処分を課している。また、悪質なケースでは刑事告発している。