【22年度・労基行政方針】・・・厚生労働省
有期労働者の解雇防止へ
◆ 厚生労働省は、「平成22年度労働基準行政の重点施策」を明らかにした。引き続き厳しい経済情勢が続くと見込まれることから、解雇、賃金不払などに関連する申告事案の優先的解決に力を入れ、違反を繰り返す事業主に対しては司法処分も視野に置いて対処する。
解雇などの対象となりやすい有期契約労働者の保護強化では、契約更新判断基準の明示、雇止め予告の励行などについて指導を徹底するとした。
22年度の労基行政は、解雇・雇止め、賃金不払い事案への的確な対応を前面に打出している。なかでも労働基準監督署が把握した解雇、賃金不払いなどに関する申告事案に関しては、早期解決を目指し「優先的に迅速かつ適切な対応」を図る考えである。違反を繰り返す場合は、司法処分を含め厳正に対処する。
社会問題化している有期契約労働者の保護にも力を入れる。有期労働契約の更新の有無や更新判断基準の明示、雇止め予告の実施などについて、監督指導により使用者に徹底させる意向だ。
併せて、派遣労働契約の中途解除を理由とする派遣元による派遣労働者の中途解雇の防止に努める。派遣契約の中途解除は、契約期間途中の解雇が認められる「やむを得ない事由」に直ちに該当しないことを、事業主に啓発指導するとした。7月1日から施行した改正入国管理法への対応では、技能実習生の入国1年目から労基関係法令の適用が始まったため、労働契約締結時における労働条件の書面による明示と賃金支払の適正化について法令遵守を徹底する。技能実習生を含めた外国人労働者にかかわる重大または悪質な労基法違反などを確認した場合は、司法処分を含め厳しく対処するとともに、出入国管理機関に情報提供するとした。
さらに長時間労働の抑制対策では、4月1日から施行した改正労基法の遵守徹底を指導するほか、多店舗展開する小売、飲食業などにおける管理監督者の「範囲の適正化」を積極的に推進する方針である。