8月1日施行
◆ 改正雇用保険法が平成23年8月1日から施行されました。雇用保険の基本手当・高年齢雇用継続給付・育児休業給付の上限等が、大幅に引上げられました。
8月1日施行の改正点は、次のとおりです。
① 基本手当等の水準の見直し
② 再就職手当の給付水準引上げ・恒久化
まず、基本手当等の水準の見直しですが、平成23年6月30日に出された告示では基本手当そのものの金額ではなく、賃金日額の上限・下限を定めています。
<下 限>
一律 2,330円 (改正前2,000円)
<上 限>
60歳〜64歳 15,060円 (改正前14,540円)
45歳〜59歳 15,780円 (改正前15,010円)
30歳〜44歳 14,340円 (改正前13,650円)
30歳未満 12,910円 (改正前12,290円)
基本手当の金額は、この賃金日額に一定率(50〜80%、60歳以上65歳未満は45〜80%)を乗じて算出します。この結果、基本手当の上限・下限は次のとおり変更されました。
<下 限>
一律 1,864円 (改正前1,600円)
<上 限>
60歳〜64歳 6,777円 (改正前6,543円)
45歳〜59歳 7,890円 (改正前7,505円)
30歳〜44歳 7,170円 (改正前6,825円)
30歳未満 6,455円 (改正前6,145円)
≪高年齢雇用継続給付≫
高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金・高年齢再就職給付金)は、賃金と継続給付の合計額が「支給限度額」を超えると、超えた分が減額されます。
支給限度額 344,209円 (改正前327,486円)
最低限度額 1,864円 (改正前1,600円)
≪育児・介護休業給付≫
育児・介護休業給付は、賃金日額に一定率を乗じて、1日あたりの給付額を計算します。この賃金日額の上限については、30歳以上45歳未満の数字(14,340円)が用いられます。ですから、1月あたり給付額の上限は下記のとおりとなります。
<育児休業給付>
14,340円×50%×30日=215,100円
<介護休業給付>
14,340円×40%×30日=172,080円
次に、改正雇用保険法の第2のポイント、再就職手当の給付水準引上げ・恒久化ですが、新しい給付率は次のとおりです。
○再就職手当(残日数3分の2以上) ⇒ 60%
○再就職手当(残日数3分の1以上) ⇒ 50%
○常用就職支度手当 ⇒ 40%
再就職手当・常用就職支度手当を計算する際も、基本手当日額の上限が設定されています。
<上限(原則)>
5,885円 (改正前5,705円)
<上限(60〜64歳)>
4,770円 (改正前4,603円)
例えば、所定給付日数330日の受給資格者が基本手当の支給残日数220日で再就職したとします。この場合の給付額の上限は、下記のとおりとなります。
5,885円×220日×60%=776,820円