< 労 務 相 談 室 >
【SEは5年契約が可能か】
<質 問 > 高度専門知識を有する者
◆ 顧客情報管理システムの構築のため、専任のコンピューター技術者を採用しました。本人が長期間の雇用保障を強く希望するため、5年の有期契約を締結しました。しかし、後になってシステムエンジニアであっても一定条件を満たさないと、契約期間5年の適用はないと聞きました。どのような条件をクリアする必要があるのでしょうか。
<回 答> 学歴や年収要件あり注意
◆ 期間契約の条件は原則3年ですが、次のいずれかに該当するときは最長5年の契約が可能です。
① 高度の専門知識等を有する労働者
② 満60歳以上の労働者
①の対象者は、厚生労働省告示第356号に列挙されていますが、大きく分けて2グループに分けられます。第1は、博士の学位、公認会計士等の資格など、一定の公的資格を有する者です。資格を有するだけでは必要十分でなく、「博士の学位・国家資格等に関係する業務を行うことが労働契約上認められている」という条件も満たす必要があります。
第2グループは、機械・電気・建築技術者およびシステムエンジニア、システムコンサルタントなど、一定範囲の業務に就こうとする者です。こちらは、当該「業務に就く」ことのほか、学歴・業務歴、年収等の要件をクリアしなければなりません。
学歴・業務歴については、例えば「大学(短大除く)で関係学科を修めて卒業した後、当該業務に5年以上従事した経験を有する」等の要件が定められています。年収に関しては、確実に見込まれる賃金額が年1075万円を下回らないような契約内容でなければなりません。「確実に見込まれる賃金額」には、「所定外労働に対する手当や労働者の勤務成績等に応じて支払われる賞与、業績給は含まれません」。
ただし、労働者の休業・欠勤に応じて賃金を減額する旨を規定することは可能で、それにより基準の1075万円を割り込んでも問題ありません。
お尋ねの「SE」は、この全ての要件に合致するか否かチェックが必要です。